こんな時、どうしたらいいの?

こんな時、どうしたらいいの?

夜眠れない、とお困りの方に

夜に眠れないときにどうしたらよいか、というのは精神科医療においてよくある相談の一つです。
睡眠薬を調整してほしい、と希望する方も多いのですが、薬物以外の方法を上手に利用することができれば、薬物の効果も発揮されやすくなることが期待できます。
睡眠障害の原因はさまざまですが、ここでは、夜眠れない、とお困りの方が、ご自身で手軽に実行できる、睡眠の質を向上するための一般的なヒントをご紹介します。

睡眠障害診断・治療ガイドライン

ここに示すのは、睡眠障害診断・治療ガイドライン(簡略版、厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班、平成13年度研究報告書より)に追加編集したものです。

日中の眠気で困らなければ睡眠時間は十分
⇒睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
⇒歳をとると必要な睡眠時間は短くなる
刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を

⇒就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
⇒軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

タバコや、カフェイン入りの飲料(お茶(麦茶を除く)、コーヒー、ココア、チョコレートなど)には覚醒作用があります。夕食後は、不眠を来す嗜好品をとらないようにすることが大切です。また、夜中に目覚めたときにタバコを吸うことは避けた方がよいでしょう。

人には、体温が下がるときに眠くなるという性質があります。これを利用して、上手に眠りに入りましょう。具体的には、温かい飲み物を飲んだり、ぬるめのお風呂にゆっくり入るという方法が考えられます。入浴時間は、就床前2時間以内がよいでしょう。

眠たくなってから床につく、就寝時間にこだわりすぎない
⇒眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
同じ時刻に毎朝起

⇒床早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
⇒日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

インターネットでダウンロードできる「睡眠日誌」をつけて、診察の際に持参するのもよいでしょう。睡眠日誌には、1日の睡眠時間、眠りの深さ(ぐっすり眠った時間、うとうとした時間、ぼんやりしていた時間、ハッキリ目がさめていた時間)、気分の状態、日常生活上の変化などを記録します。総睡眠時間や月単位の経過、よく眠れるときのパターンなどを把握することによって、上手な睡眠方法が見つかることもあります。スマートフォンで利用可能な睡眠管理アプリもいくつかリリースされています。

目覚まし時計の設定の工夫睡眠のサイクルは1.5時間と言われています。だから、「1.5時間の倍数の時間(6時間、7.5時間など)に加えて、床についてから入眠するまでの時間」を睡眠時間に設定して目覚ましを鳴らすようにするのも、スムーズな目覚めのための工夫の一つです。また、上述のアプリの中には、人の体の動きを関知して、睡眠の浅いときに判断してアラームをならしてくれる機能をそなえたものもあります。

光の利用で良い睡眠

⇒目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
⇒夜は明るすぎない照明を

自宅にこもりがちの方などによく見られるのが「昼夜逆転」です。午前中に部屋を明るくしたり外出して光を浴びることには、睡眠のリズムが後へ後へとずれていくのを防ぐ効果があります。

反対に、夕方以降に明るくしすぎると、睡眠のリズムが後へ後へとずれて行ってしまいます。

規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣

⇒朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
⇒運動習慣は熟睡を促進

1時間程度の汗ばむくらいの運動を毎日午後に行うと効果的でしょう。就床前6時間はむしろ運動を避けることを おすすめします。

昼寝をするなら、15時前の20~30分
⇒長い昼寝はかえってぼんやりのもと
⇒夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
眠りが浅いときには、むしろ積極的に遅寝・早起きに
⇒寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
睡眠中の激しいいびき、呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
⇒背景に睡眠の病気が考えられます。専門治療が必要
十分眠っても日中の眠気が強いときには、専門医に
⇒長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医にご相談ください
⇒ 車の運転は要注意
睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

⇒睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

アルコール飲料については、寝つきが良くなっても、その後に生じる覚醒作用のために後半の睡眠が分断され、結局は睡眠の質が悪化することがありますので、「眠るためにお酒を飲む」という方法はお勧めできません。

睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

⇒一定時刻に服用し就床
⇒アルコールとの併用をしない

睡眠薬に対して過度な不安や誤解を持っておられる方や、逆に過度な期待を抱いておられる方もおられますが、正しい知識を持って、上手に薬とつきあえるとよいですね。

最後に ~病院で睡眠について相談するときに~

一口に眠れないと言っても、その原因は多岐に亘ります。これまでに挙げた方法も、必ずしも全ての状況に当てはまるわけではありません。ご自身で試してみた方法がうまくいかないときは、医療機関に相談するのも一つの方法です。医療機関に相談するときは、前もって下記の項目についてチェックしておくと、診察の際にスムーズです。

睡眠パターン

  • 入眠困難・中途覚醒と再入眠困難・早朝覚醒・熟眠感欠如
  • 夜間の異常行動
  • 日中の眠気
  • 下肢のぴくつき・むずむず

睡眠障害のきっかけ

  • 身体疾患、服用薬物
  • 心理・社会的ストレス
  • 気分の変化(特に起床時) 環境の変化

過去の睡眠障害

  • 以前の睡眠の質
  • 不眠の既往
  • 直面する問題と同様な体験
  • 以前の治療の効果

睡眠衛生歴

  • 入床・消灯・入眠・覚醒・離床の時刻
  • 休日と平日の変化
  • 不規則な勤務など、睡眠リズムの変化
  • 昼寝の習慣
  • 運動などの生活習慣
  • カフェイン・アルコール 薬物・サプリメント
  • 自分なりの試みとその効果
  • 効いた薬、悪化した薬
  • 入床前の過ごし方 家族からの情報、睡眠について本人の感じ方と家族の感じ方が違うことはないか
  • いびき、不規則な呼吸 睡眠中の体動
  • 睡眠の質と長さ
  • 気分や行動の変化
  • どのような睡眠が望ましいと思っているか 睡眠薬に対する不安
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